1:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 04:46:13.82 ID:m8pPIdIP0
ハニー「あぁ、どうして……どうしてこんなことに」
ハニー「こんなにたくさんの……吸魂鬼」
吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼吸 魂鬼
ハニー「……シリウス」
シリウス「」
ハニー「……やよ。絶対にいや。こんな奴らに……わたしたちの幸せを邪魔されるなんて」
ハニー「全部、全部……守って、みせるんだから!」
ハニー「この、わたし……立って。立ちなさい、わたし……もう絶対、誰も」
ハニー「この私を、誰だと思ってるの、吸魂鬼!」
吸魂鬼「――――」
ハニー「『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!!』」
4:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 04:49:50.15 ID:P1aRLcyj0
7:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 04:53:24.54 ID:K9GCC5ke0
8:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 04:54:07.73 ID:m8pPIdIP0
ルーピン「――――」
シリウス「……リーマス。今日の分の薬は飲んできたのか?まさか……」
ハーマイオニー「待って……どうして、スネイプ先生はあそこに来られたのかしら。ひょっとして……」
ハニー「……先生に、薬を渡しに……先生、先生!」
ルーピン「逃げ――」
ビキビキッ、バキッ!
ロン「! 先生の腕が……ネズミ野郎と繋がってる手錠が壊れっちまった!」
ぺティグリュー「り、リー、マス……」
シリウス「リーマス!気を確かにもて!本当の君はここにいる!心の――」
「――――ガァアアアアアア!!!!!」
12:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 04:59:19.51 ID:m8pPIdIP0
ぺティグリュー「たす、たすけて、いやだ。あぁ、僕は」
ぺティグリュー「ジェームズ、助けて、ジェームズ……あぁ、そうか、僕、僕はもう……っ!?」
ぺティグリュー「あぁ……この痛み、まさか……あぁ……!あの方、あの方が力を、取り戻しつつ……?」
ぺティグリュー「僕は、もうどこにも……」
ロン「ど、どんどん先生の姿が……おい、こんにゃろ。騒ぎに乗じて逃げようなんて思うなよな……なんだよ左腕おさえて、おいこのネズ……」
ぺティグリュー「うわああああああああああああああああ!」
バキッ!
ハーマイオニー「ロン!?」
ハニー「! ぺティグリュー……あなた!!」
ぺティグリュー「分かって、分かってくれジェームズ、リリー、僕にはもう……後が」
ポンッ!
スキャバーズ「チチチチッ!」
13:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:03:52.71 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「ロン、しっかりして!ロン!ハニーよ!ハニーが見てるわよ!」
ロン「うー、な、なんだって、ハニーが僕を見てるなんて、そんなの、ごちそうさまですありがとうもちのロンで……むにゃむにゃ」
ハーマイオニー「夢じゃないったら!そりゃぁ、ハニーは夢のようだけど……あぁもう!」
シリウス「! あのネズミ、どこまで……っあぁあ!!」
狼「グァアアアアアアゥゥゥッッ!!」
ハニー「シリウス!」
ハーマイオニー「あぁ、あの人が茂みに飛ばされてしまって……先生、もう完全に変身してしまっているわ」
狼「グルルルルルルルル」
ハニー「……先生?ルーピン、先生?分かる?この私を忘れるなんて、ありえないけれど」
15:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:09:27.76 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「だ、だめよハニー!狼人間は、変身してしまったら、もう理性なんて……!」
ハニー「分かってる!でも、先生は……先生はずっと、パパたちに……ねぇ、先生?」
狼「グルルルルルルル!」
ハニー「先せ――」
狼「グァアアアアアアアアッ!!」
スネイプ「『プロテゴ、守れ!!』」
狼「ッッグゥウゥゥウウ!!!」
ハニー「!?」
ハーマイオニー「す、スネイプ先生!?」
18:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:15:03.43 ID:m8pPIdIP0
スネイプ「さて、ポッター、我輩の出した課題をこなしていないようですな。グレンジャー、真に遺憾だが対処だけは正解だとお教えしよう」
スネイプ「……人狼。ブラックに与する卑しき友、ルーピン」
スネイプ「遅れはとらんぞ。一体何年もの間、何百回と想定していたと思っている」
スネイプ「貴様を追い詰めるために――復讐は、蜜より甘い……」
ハニー「だめ!だめよ、やめなさい!先生は悪くない、やめて!」
スネイプ「離すのだポッター!二度も救われたということがわか、わ、我輩の裾を掴むなやめろよせこれはリリーではちがういやしかしちがうこれは……」
犬「グゥルルルルルルルル!!!」
狼「ゥガァアアアアアアアアア!!」
ハニー「!あの、犬は!」
ハーマイオニー「変身したんだわ!」
スネイプ「ちがうこれはリリーではないリリーではリリーではないのだ落ち着け我輩のスニベルス……なんなのですかな、あの見るだけで育ちの悪さが分かる雑種は」
19:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:21:10.97 ID:F4Pmefso0
興奮してんじゃねぇww
23:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:24:52.87 ID:m8pPIdIP0
ハニー「先生を牽制しながら、こっちを……逃げろっていうの!?」
狼「グァアアアアアゥゥゥ……!!」
ハーマイオニー「あぁ、でも、我を忘れた人狼相手じゃ、いくら大型犬のあなたでも……!」
スネイプ「ポッター、グレンジャー、いつから犬の友人が出来た。下がっておれ、ここは我輩が……」
犬「グルルルルルル!」
狼「ガァアアアアアアアアアグルルル!」
ザザザザザッ!
ハニー「! 掴みあいながら、森の奥に……待って、待って!!」
スネイプ「! 行くな、ポッター!待て、待つのだポッター!聞け、我輩の……」
ハニー「言うだけ無駄よ!」
スネイプ「……五年、の、あの、最後の、夜、の」
ハーマイオニー「先生、先生!?どうして地面に膝を突いて顔をおおってしまうの、先生!?」
ハニー「ハーマイオニーは、そこでロンと待ってて! 先生! シリウス!」
24:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:31:33.74 ID:m8pPIdIP0
ハニー「先生!ルーピン先生!シリウス!」
ハニー「あぁ、どこに……!こんなことなら、この森を知り尽くしているのでしょう私の可愛い豚のハグリッドを連れてこれば……」
ハニー「ううん、そんなんじゃダメ!私が、わたしが、絶対……」
キャインキャイン!キャンキャン!
ハニー「! シリウス!?今の、声……シリウスが、苦しんでる!」
ハニー「あっちの、林が切れた先……湖の方ね!まったく、この私に探させるなんて、いい度胸だわ!」
ハニー「ゴミ出しの係りは、全部あなたなんだから!シリウス!!」
25:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:38:49.80 ID:m8pPIdIP0
ハニー「シリウス! シリ……ウス……」
シリウス「やめろ、やめろぉおおおおおおおおおお!!」
ハニー「……っ!」
吸魂鬼「――――」
シリウス「っぐ、ああああぁあああああやめろ!私は、あの子と……!」
ハニー「信じられない数の、吸魂鬼……シリウス!!」
シリウス「っ、ハ、ニー……来てはいけない!逃げろ、ハニー……」
ハニー「この私に、指図しないで!私は私の好きなようにするの……そうよ!」
ハニー「っ、あぁ、なんてこと……こんなにたくさんの吸魂鬼が、怖い?冗談は、やめて。怖くなんて、ないんだから」
ハニー「だから、お願い……動いてよ、わたしの、脚……杖を、かまえなきゃ」
26:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:41:56.96 ID:m8pPIdIP0
ギュッ
ハニー「!……シリウス……もう気絶してるのに、わたしの、手を」
ハニー「……冷たいけれど、大きい手。わたしの知らない手」
ハニー「……そうよ、わたし。この人のこと、まだなにも知らない」
ハニー「……やよ。絶対にいや。こんな奴らに……わたしたちの幸せを邪魔されるなんて」
ハニー「全部、全部……守って、みせるんだから!」
ハニー「この、わたし……立って。立ちなさい、わたし……もう絶対、誰も」
ハニー「バックビークみたいに、させたり、なんて……」
ハニー「この私を、誰だと思ってるの、吸魂鬼!」
吸魂鬼「――――」
ハニー「『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!!』」
27:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:49:14.34 ID:m8pPIdIP0
吸魂鬼「――――、」
ハニー「わたし達は助かる、絶対に、絶対助かる」
ハニー「諦めたりなんて、しないわ……だから、私のために励みなさい、守護霊!この私の!」
ハニー「守護霊、なんだか……ら……」
ハニー「うそ……まだ、また、吸魂鬼が……増えるなんて」
吸魂鬼 吸魂鬼吸魂鬼吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼吸魂鬼 吸魂鬼 吸魂鬼
吸魂鬼 吸魂鬼吸魂鬼ヒン…?
ハニー「っ!『エクスペクト・パトローナム!』『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー「『守護霊よ来たれ!』『エクスペクト――」
――ハニーだけは、ハニーだけは助けて――
ハニー「っ!聞こえないわ、ママ!『エクスペクト・パトローナム!』」
29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 05:58:11.21 ID:m8pPIdIP0
ハニー「わたしはこの人と暮らす!パパとママが信じたこの人と!『エクスペクト・パトローナム!』」
ハニー「だから……もう……『エクスペクト……」
――リリー、逃げろ!ハニーを連れて――
ハニー「聞きたくない!わたしが聞きたいのは!二人の、幸せそうな話だけ!シリウスが、聞かせてくれる話だけ!」
ハニー「『エクスペクト・パトローナム!』諦めなさい、吸魂鬼!わたし、この私の守護霊は、あなたなんかじゃ……」
吸魂鬼「――――」
ズルッ
ハニー「っ、なぁに?この私の美しさに立ち尽くして、茫然自失?さもありえるわね、だって私は、高貴で、可憐な……」
ハニー「あ……あぁ……フード、を……」
31:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:08:59.77 ID:m8pPIdIP0
ハニー「目が、ない……真っ黒な眼窩と、薄い、カサブタみたいな皮膚、だけ」
ハニー「それ、に……あぁ……あれ、口なの……?死に際の息みたいに……」
ハニー「あっ……ダメ、守護霊……『エクスペクト・パトローナム!』……『エクスペクト……パト……」
フッ
ハニー「……あぁ、なんて、ダメな豚なの……ダメなのは、わたし、か……」
ハニー「シリ、ウス……」
ギュッ
ハニー「あなたを連れて行かせない、いやよ、だってわたしたち、一緒に、って」
――僕を誰だと思ってるんだ?お辞儀なんてしている暇があったら――
――ハニー、あぁ、あなたにはきっと――
ハニー「パパ……ママ……」
――呼んだかい――
ハニー「……えっ?」
カッ!!!!
32:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:14:43.69 ID:m8pPIdIP0
カァアアアアッ!
パカラッパカラッ!
ハニー「なんなの……?湖の、反対側から」
吸魂鬼「っ――!――――!!」
ハニー「光る、なにか……吸魂鬼を、次々と追い払ってる」
吸魂鬼「――――!!」
ハニー「寒気が引いて……吸魂鬼が……あれは、なに……?」
ハニー「四本脚、の……動物……?人……?また動物……?吸魂鬼、を……千切っては投げてる……」
34:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:17:46.72 ID:m8pPIdIP0
ハニー「あの、光っていたもの、は……?あぁ、あそこ……」
ハニー「湖の反対側の方に、走って……誰か、迎え入れてる……」
ハニー「あぁ、あれ……赤い、あれ、って……私みたいに綺麗?ううん、それ以上……わたしの」
ハニー「ママ……?それに……パパ……」
ハニー「あぁ、もう……なにが……」
ハニー「なん、だか……」
バタッ
・
・
・
・
・
・
39:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:29:44.60 ID:m8pPIdIP0
ファッジ「いやいや、スネイプ。君が居合わせたのはまっこと幸運、そうだろうね」
スネイプ「お褒めの言葉恐れ入ります、大臣。しかしながら我輩としては、ブラックは即時刑を執行されるものとばかり」
ファッジ「あぁ、だが君も分かるだろう?連中、なぜだか震え上がっている。まともに仕事をしようとせんのだ。なぁに、朝には応援がくる……そうすれば」
スネイプ「奴はキスを執行され、償いをうける。そう期待していいのですな?」
ハニー「あなた……が、誰の何を、期待する、ですって……?」
ハーマイオニー「!ハニー!気づいたのね!」
ハニー「……ハァイ。私、どれくらい気を、いいえ、うたた寝を?……なぁに、その心配顔」
ハーマイオニー「城から戻って、数十分かしら!あぁ、良かった!私、私あなたを一人で行かせたことを後悔してもしきらなくって……きゃぁ!?」
ハニー「何度言えばわかるの、かしら。私を待つなら、羨望の眼差しだけを用意しなさい、って。一人で?そうね、二人でいったほうが、いいものね?ハーマイオニー……?」
ハーマイオニー「あっ、なっ、なんの、なんの話しをしているの!ちょっと、ちが、あなたそんな、あ、あぁ、そうよね、そう、怖かったのよね、あぁハニー、わたし、わたしで、いいなら……」
スネイプ「神聖なる城で不埒な行為はやめんか!!!」
ファッジ「スネイプ、停職にされたくなけれb」
スネイプ「黙れ無能大臣!!!!!」
41:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:37:44.41 ID:m8pPIdIP0
ファッジ「ハニー、ハニー。それはいいものを見せてもらったがね、今は君は、休まなくては。あぁ、しかし吸魂鬼になにがあったかだけ聞かせてもらえるかい?」
ハニー「私にも、なにがなんだか……そういうことは、いいの。シリウス・ブラックを裁くなんて、ダメよ」
ハーマイオニー「そう、そうなんです、大臣!聞いてください、全部誤解だったんです!」
ファッジ「誤解?」
ハニー「そう。シリウス・ブラックはピーター・ぺティグリューにはめられただけ」
ハーマイオニー「そうなんです、大臣!動物もどき<アニメーガス>だったんです、ブラックも、ぺティグリューも……」
スネイプ「あー、オッホン。お聞きになられましたな、大臣?」
ファッジ「あぁ、そうだなスネイプ。どうやらこのお嬢さんたちは、随分と錯乱しているようだ……可哀想に。ブラックに闇の呪文でもかけられたのだろう、おのれブラック」
ハニー「なっ、なにを!?」
スネイプ「えぇ、そうでしょうとも。で、なければあすこで我輩に目を瞑って感謝こそせどビンタなどするはず……」
ハニー「もう一回お見舞いしてあげてもいいのよ!?大臣、聞いて!聞きなさい、ってば!」
42:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:47:14.67 ID:m8pPIdIP0
ファッジ「ダンブルドア……なんだね、新曲の『ならんぞコーネリウス』かい?」
ダンブルドア「君にはどちらかと言えば『そろそろ目覚めるときじゃ』かのう」
ファッジ「なんだねその意味深な曲は……」
ハニー「!腹黒豚、いいえ、校長!聞きなさいこの豚!ブラックは……」
スネイプ「腹黒は大いに賛同するが校長になんという言い草だポッター、黙っておれ!」
スネイプ「校長、見ての通りこの者たちに話しを聞こうとしても無駄ですぞ。なんとまぁ、おかしなことばかり……」
ダンブルドア「うむ、わしが今しがたブラックに聞いたのと同じようじゃの」
ダンブルドア「ピーター・ぺティグリュー、ネズミ、十二年前の悲劇。全てが誤解であった、とのう。にわかには、信じがたいが……」
ハニー「それが、全ての真実だわ!私のいう事が信じられないというの、この豚!」
ダンブルドア「ヒンヒン、ハニー。落ち着きなさい。そうは言うておらん」
43:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 06:53:46.92 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「セブルス、わしの記憶力はまだ衰えておらんよ」
スネイプ「ならばご存知のはず!奴が、学生時代からすでに殺人者としての片鱗を……!」
ダンブルドア「どの口が」
スネイプ「!?」
ダンブルドア「君はこの件に関しては冷静な判断ができておらん。すこーし、席を外してくれるかのう。コーネリウス、君もじゃ」
ダンブルドア「ミス・ポッター、そしてミス・グレンジャーに話があるのじゃ」
ハーマイオニー「私にも……?」
スネイプ「……我輩の証言はとるにたらない、と?」
ファッジ「まぁまぁ、スネイプ。ダンブルドアにも何か考えがあるのだろう。さぁ、さぁ。吸魂鬼を迎えにいこうじゃないか」
ファッジ「ダンブルドア、上の階で待っている。奴の最期を教え子のあなたも見守るべきだろう」
44:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:06:51.32 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「そう、そうなんです先生!あんなに乙女なハニーは初めてで、あぁ、初めて同士は先に私だったのになんてそういう話は今……」
ダンブルドア「何のことかは聞かんでおこうかのう、二人ともじゃが。よいか、二人とも。時間がないのじゃ、よーく聞いておくれ」
ダンブルドア「今、君達の言葉を証明するものは、何一つない。十三歳の魔法使いが何を言おうと……」
ハニー「この私になんて言い草なの!?証明!?そんなもの、この私が豚を……」
ダンブルドア「ハニー、君は君の豚たちを魔法界で窮地に立たせるつもりかね。よいか、もう一度。黙って聞いておくれ」
ハニー「……そうしてあげるわ」
ダンブルドア「それでよい。ルーピン先生の証言もあてにならんじゃろう。なぜなら……」
ハーマイオニー「……狼人間は、魔法界でほとんど信用されていない、から」
ダンブルドア「その通りじゃ、ミス・グレンジャー。一部の者の愚かしさが所以でのう……それに先生は、シリウスと旧知の仲でもある」
ダンブルドア「このわしでさえ、あの若者を憎み、怒り、糾弾しておったのじゃ。今の現状で、それを覆すことは敵わん」
46:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:16:27.63 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「無論じゃ、わしを誰だと思うているのかね、ハニー。ヒンヒン」
ダンブルドア「しかしじゃ、ハニー。わしがどれだけ鳴こうとも、君達を信じようとも……今ではどうとも、できんのじゃ」
ハニー「そんな……そんなのって!あなたは、あなたは……」
ダンブルドア「おぉ、ハニー。無力なわしを叱っておくれ。生まれる前まで戻ってしまえばいいのかのう、ヒンヒン」
ハーマイオニー「……!先生、まさか!」
ダンブルドア「ヒン、ヒン、ヒンじゃろうて。ミス・グレンジャー」
ハニー「……?なんの、こと?ねぇ、なんの話を……?」
ハーマイオニー「三回……そんなに前に。でも、先生がおっしゃるなら……ハニー!こっちに!」
ハニー「ねぇ、ハーマイオニー。あなたいつの間に豚語を、あなたにそんな風に喋ってほしくなんて……いいの?」
ハーマイオニー「ち、ちが、そういうわけじゃ!いいえ、拒む気持ちなんてないけど、あの、い、今はダメよ!あの、時間が、あなたとの時間なんて悠久に違いないけど、あの……」
ダンブルドア「間違えた、ミス・グレンジャー。四回じゃった。じゃからつづけて」
ロン「うー、ん……どうぞ」
ハーマイオニー「い、いらない気遣いはやめてください、先生!ハニー、これ、見て!」
ハニー「……砂時計?」
48:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:19:54.75 ID:P1ioh5Gn0
役目をわかってるぜ
49:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:22:18.34 ID:m8pPIdIP0
ハニー「だから、何のことよ……私に、この私のあずかり知らないところで話しを進めないで!ちょっと!」
ダンブルドア「おぉーう、ハニー。何を言うておるのかね。全ては君を中心に起こっているこのなのじゃ、そうじゃろう?」
ハニー「それは、私は、そうよ!私が、この私が!全部全部、なんとかして……だから!」
ダンブルドア「そうじゃ、ハニー。全部を救ってきなさい。君の望む結末へ」
ハニー「???」
ハーマイオニー「さぁ、ハニー……あぁ、黙っていてごめんなさい。行きましょう、一緒に」
ハーマイオニー「三時間前の世界へ……!」
・
・
・
・
・
・
55:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:36:13.49 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「……夕焼け空、ね。成功だわ」
ハニー「どういうこと?ハーマイオニー、これって……あぁ、まさか」
ハーマイオニー「そうなの、ハニー。私、これを使って今学期ずっと、いくつもの授業に出ていた。そういうこと」
ハーマイオニー「これ、逆転時計<タイム・ターナー>っていって、とっても貴重なものなの。あなたとの思い出の次にだけど」
ハニー「えぇ、何物にも変えがたいわね……ふふっ、私に秘密にしてるなんて。それに、私よりさ先に時間を越えてしまったのね」
ハーマイオニー「あぁ、ごめんなさい。あなたたちにだけは言おうかずーっと迷っていたの、だけどマクゴナガル先生との約束で……きゃぁ!?」
ハニー「いいのよ、許してあげる。でも、ね?ハーマイオニー?」
ハーマイオニー「なっ、ちょっ、ハニー、さっきからちょっと、ペース、あの、少しはやすま、あぁ、それは、私の鼓動とあなたの鼓動のペースが合わさるなんてステキだけど……」
ハニー「……これからすること、とっても、勇気がいるの。だから、少しだけ……こうさせて?」
ハーマイオニー「……やっぱり四回回せばよかったのかしら」
ハニー「?」
ハーマイオニー「こ、こっちの話」
58:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:44:23.49 ID:m8pPIdIP0
ハニー「えぇ……でも、あの腹黒……ダンブルドアは、わざわざこう言ったわ」
ハニー「『全部を救ってきなさい』、って。わざわざ、私の言葉まで……だから、どこまで把握してるのよあの、あぁ、やっぱり、やっぱり腹黒だわあの豚は」
ハーマイオニー「全部?一体どういうことなの、ハニー?私、先生がどうしてこの時間に戻れと言ったのかもまだよく……この時間に、先生の変えたい何かがあったのかしら。それが、あの人を救うことになるの……?」
ハニー「えぇ、きっとね。ほらみて、校庭のあそこ……私達三人が、ハグリッドの小屋に向かってるわ。流石私、私から見ても完璧ね」
ハーマイオニー「それは否定しないけど、続けて頂戴。私達、今から、なにを……?」
ハニー「バックビークよ、ハーマイオニー」
ハーマイオニー「……!」
ハニー「バックビークを処刑から救って、シリウスを乗せて逃がすことが出来れば……!」
ハーマイオニー「でも、あぁハニー、これを使って過去に行ってる姿は、誰にも見られちゃいけないの。そんな大変なこと、って」
ハニー「やってみなくちゃ。この私なら、そんなもの造作もないけれど。そうでしょ?」
59:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 07:55:19.68 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「『透明マント』がないから、っ、全速力で、っふぅ、走ってきた、わね。誰にも見られなかったかしら」
ハニー「学期末テストが終わったのだもの。窓の外なんて、誰も気にしないわ。眺めていたとしたら、この私に釘付けに違いないけれどね」
ハーマイオニー「嫌な予想はやめて、もう……中から私達の声が聞こえるわ。いつまで経っても変な感じね」
ハニー「あなたの様子がおかしかったのや、宿題の山を抱えていたのもこれのせいなのね?」
ハーマイオニー「えぇ、勉強のために上手に使いなさい、って先生が……あ!」
スキャバーズ『チーーーチーーッ!チチーーーーーッ!!!!』
ハーマイオニー「スキャバーズが見つかったみたい!じきに私達が出てくるわ!ハニー、隠れないと……」
ハニー「……」
ハーマイオニー「……ハニー、残念だけど」
ハニー「……えぇ。ここでぺティグリューを捕まえても……小屋の中にいる私達に見られるなんてことになったら」
ハニー「分かってる……あの人のことは、諦めるわ。今は、ね。いつか絶対、跪かせるけれど……待ってなさい、ぺティグリュー」
スキャバーズ『チーーーチーーッ!チチーーーーーッ!!!!』
60:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:03:18.13 ID:m8pPIdIP0
ハグリッド『!?』
ハーマイオニー「……あんなに離れた場所から、どうやって」
ハニー「もうあの豚に説明を求めるのはやめましょう。そういうことになってるのよ、きっと」
ハーマイオニー「そうね……ハグリッドの小屋の戸が開いたわ。姿は見えないけど、えぇっと、確かにハニーがいるわね。何で分かるのか聞かないで」
ハニー「私と言う存在は常に誰かの心の隣に寄り添っているものね」
ハーマイオニー「あぁ、マントの中で密閉しているからあんなに、その、クラクラするのかと思っていたのに、こんなに近くに二人いたのね。どうりで」
ハニー「……聞いてる?」
62:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:13:14.27 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「えぇ、ここからは、確か振り返らなかったはずよ。あなたが震えていたし……」
ハニー「怒りにね」
ハーマイオニー「半々でしょうね……あっ、先生方だわ」
ハニー「……外につながれたバックビークを、三人で見ているわね」
ダンブルドア『どうじゃ、コーネリウス。見てみぃ、こんなにも大人しい生き物が何故処刑されなければならんのか』
ファッジ『ダンブルドア、分かってくれ。ルシウスは魔法省にとっても多大な貢献をだね。まぁ、なんだ。いいじゃないか、ヒッポグリフの一頭くらい……』
ダンブルドア『罪の無い者に罪を被せることに、人も獣もないのじゃ……後にそれに気がついた時後悔するのは君じゃぞ?』
ファッジ『? なんだか身におきた事のような言い草だね、ダンブルドア』
ダンブルドア『なんのことかの。おぉーう、ハグリッド。こんばんわ。泣くでない、わしがここにいよう。バックビーク?見た見た、しかと見た、見まくった。もう消え去っても『そこにさっきおったじゃろ』といくらでも言おうかの』
ハニー「……今が良いタイミングらしいわ」
ハーマイオニー「……もう何も言うまい、ね」
64:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:21:05.00 ID:m8pPIdIP0
鳥豚「ゲェー」
ハニー「……おいで、鳥豚。今度はあなたを助けてあげられたわね……とっても、とっても嬉しいわ」
鳥豚「ゲェー、ヒン」
ハニー「……信じてた、って言ってくれてるの。ふふっ、そうね。当然だけれど……いい子ね」
ハニー「さぁ、こっちに。ハーマイオニーにはあなたからお辞儀なさい、私の大事なお友達なんだから。あなたと同じ、ね」
ファッジ『では、被告の処刑を執行……れ?おや?』
マクネア『――どこにやった、この木偶の坊!逃がしおったのか!』
ダンブルドア『落ち着け、落ち着くんじゃマクネア。逃がす?そこにさっきおったじゃろ?君は目までは老いておらんと思っておったがのう』
66:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:32:59.04 ID:m8pPIdIP0
ファッジ『そこまでの知能があれにあるのかね……よもや、誰かに盗まれた……?うーむ』
ダンブルドア『それならば、ファッジ。空でも探してみればどうかね』
ファッジ『……ブラック捜索に人員を裂き過ぎてそんな余裕はないよ、ダンブルドア。マクネア、引き上げよう。あー、ハグリッド。幸運だったね?』
ハグリッド『おぉ、おぉ大臣、違ぇねぇ、もう会うこともねぇだろうが、俺、俺ぁビーキーが元気にやってくれてるなら、おおおおおハニーーーー!!ヒンヒーン!』
ハーマイオニー「……なんであなた?」
ハニー「全ての感謝は私に注ぐんじゃない?」
ダンブルドア『鋭いのう、ハグリッド』
ハニー「あなたはうるさいわ」
69:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:36:44.17 ID:gh834DZ20
君に会うために徹夜してここまで来たよヒンヒン!
70:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:37:33.26 ID:KsHu+3SR0
74:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:40:00.38 ID:m8pPIdIP0
ハニー「えぇ。あと二時間ほどであそこに……ファッジやあの挙動不審教師が吸魂鬼を連れて行く前に」
ハーマイオニー「バックビークに乗って、それで……あぁ、難しいわ。少しでもタイミングを間違ってしまったら、誰に見られてもおかしくないもの」
ハニー「自体が把握できる場所にいないといけないわ……一番は、あの」
ハーマイオニー「『暴れ柳』のところ、ね」
ハニー「……あぁ、だから最初からあの豚、静かだったのね」
ハーマイオニー「あなたが二人で戸惑っていたようだけどね」
ハニー「太陽が二つあるようなものだもの、当然よ」
77:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:45:57.86 ID:m8pPIdIP0
ハニー「いい子ね、この豚。そうね、緑豚って呼ぼうかしら」
暴れ柳 ザワザワ
ハニー「……ヒンヒン言いなさい?」
ハーマイオニー「あのねハニー、いくらなんでも植物にはムリが……あぁ、枝で文字、そういうのもありなの。あなたってほんと、奇跡をいとも容易くおこしちゃうわね」
ハニー「私だものね。あぁ……シリウスと、ロンだわ」
ロン『はっ!腕の一本がなんだ!この犬公!僕はハニーの豚だぞ!僕ごと連れてかれたって、お前なんかにハニーを……』
ハニー「……出来る豚ね」
ハーマイオニー「あなたのためだから当然とはいえ、よくあれだけ……凄いわ」
ハニー「見習わないほうがいいと思うわ、見直してあげるのはいいと思うけれど」
ハーマイオニー「見習えないわね、えぇ、あんなタフネスはあの人しか……み、見直す?」
82:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 08:58:29.64 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「ルーピン先生だわ……あぁ、先生がもう少し冷静なら、少し先にいるダンブルドア先生も一緒に連れてこられたんじゃないかしら」
ハニー「そうしたら、そうね。あの腹黒豚が本気でシリウスを……」
ハーマイオニー「……吸魂鬼に魂吸われる方がマシかもしれないわ」
ハニー「まぁ、この時には全部見越していた可能性もあるけれど」
ハーマイオニー「校長先生って、本当、なんなのかしら」
ハニー「腹黒豚でしょ、私の、可愛くはない、けれど」
84:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:04:31.06 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「急いでいたでしょうから。それを拾うのは……あぁ、その後すぐに現れたスネイプ先生なのね」
ハニー「……この私の持ち物をあの人が触るなんて、恐れ多過ぎて手が焼けてしまうところじゃないのかしら、クィリナスみたいに」
ハーマイオニー「あれはそういう理屈じゃなかったのでしょう?さ、全員、『叫びの屋敷』に向かったわ」
ハニー「しばらくは、することがないわね……」
ハーマイオニー「ダメよ、ハニー。今真面目なところ……ちが、期待してないってば、違うから!あの、あのね、私、聞きたいことがあるのだけど」
ハニー「なぁに?ふふっ、あなたの弱点は教えないわよ?」
ハーマイオニー「それも知れれば少しは私も抵抗、あっ、べつに抵抗する気も、いや、あ、ありまくりよ!もう!あのね……吸魂鬼は、どうやって追い払ったの?」
86:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:09:36.28 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「えぇ、あなたから聞いたしあれから調べたもの。でもね、えーっと、ハニー、あまりこう言いたくないけど」
ハーマイオニー「あなたはまだ、吸魂鬼を完全に打ち負かす『有体守護霊』の召還には成功していなかったでしょう?なのに、どうやって……?」
ハニー「……ほんと、ちゃんと調べていたのね。ふふっ。私と喋れていない間?」
ハーマイオニー「い、言ったじゃない、ずっとあなたたちのこと、って。そう、霞のようなものとはっきりと形をもった『守護霊』では、難しさも効果も大きく変わるって聞いたわ」
ハーマイオニー「一体、誰が?えぇっと、あなたのことだから、その土壇場で成功したのかしら、とも思ったんだけど……」
ハニー「……いいえ。悔しいけれど、私はまた何もできなかった。なんにも、ね」
ハニー「……私を救ってくれた、のは……私、わたしには、そう見えた、ってことなのだけれど」
ハニー「……ママ、の、ようだったわ」
87:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:19:12.87 ID:m8pPIdIP0
ハニー「私そっくりなのもステキで高貴で可憐なのも否定しないわ。でも、ちがうの」
ハニー「本物の、ママが……湖の対岸にいて、私のほうに……パパのような人と、守護霊を」
ハーマイオニー「……」
ハニー「……言いたいことは分かる、そうね。私きっと、朦朧としていたし……」
ハニー「でもね、馬鹿げてる、って分かってるの。でも……今夜はここに、今まで死んでいたと思われてたぺティグリューも現れた」
ハニー「……わたしのパパとママが現れても、不思議じゃないんじゃないか、って」
ハニー「ちょっとだけ。思ったの。うん、そうね。私きっと、何かと見間違えたのだわ」
ハーマイオニー「……あなたにそっくりな人なんて、あなたのお母様以外ありえないと思うわ、ハニー」
ハニー「唯一無二だもの、ね……ありがと」
90:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:27:49.07 ID:m8pPIdIP0
・
・
・
・
・
ハーマイオニー「っ、だか、やめ、もう、何度真面目な場面だって言えば、あ、あぁ、そんな、いつだって真面目って、私だっていつも真面目にあなたのこと……あっ!」
ハニー「ふふっ、やっぱりここが弱いんだから……あ、声をあげたのはそっちのことね。みんなが、穴から出てきたわ」
ハーマイオニー「ふーっ、ふーっ、もう、ロンの存在がどれだけありがたいか身に染みたわ、あぁ、でもあの人止めないから同じかしら……」
ハニー「……ねぇ、ハーマイオニー。私達、ここにいたらいけないのじゃないかしら」
ハーマイオニー「……さっきも言ったでしょう?ハニー、私達がスキャバーズを捕まえようと飛び出したら、過去の私達みんなの前に出ることに……」
ハニー「違う、違うのよ……ここ、って……確か」
ガルルルッルル!!グルルルルルルル!!
ハニー「シリウスと先生が、もみ合いながら転がり込んで……っ!走って、走って!!」
ハーマイオニー「!? で、でも、どこに!?」
ハニー「とにかく、森の奥!!心配しないで、いざとなったら半人半馬の出来損ないの豚がいるわ!!さぁ!!」
94:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:31:49.44 ID:9rr0PBHr0
原作だとジニーと子供作ってたけど・・・
まさかハーマイオニーからロンを寝取るのか、それとも男女混在ハーレムを作るのか
96:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:34:14.29 ID:7eVQB4uU0
95:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:34:07.51 ID:m8pPIdIP0
ハニー「っ、さ、ぁ。夢中で、走った、から……」
ハーマイオニー「あなた、って、割り、と……方向音痴、よね……今まで言わなかったけど」
ハニー「誰の何が、音痴、ですって……ハーマイオニー、あなただって運動のことは人のこと、言えないじゃない。疲れたなら、鳥豚にもたれて休んでいたら?」
ハーマイオニー「わ、わたしは、頭脳派だもの……えぇっと、お願いしていい?バックビーク?」
鳥豚「ゲェー」
97:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:35:32.07 ID:CRCJrlL60
99:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:38:40.75 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「このままじゃ、城の様子も分からないわ。一か八か、バックビークにのって直接……何の声、かしら。打ちのめされた子犬のような」
ハニー「あぁ……ここって、あの湖の近くだったのね。ハーマイオニー、平気よ。そこから見ておけば、きっと……」
ハーマイオニー「……割り込んじゃ、絶対にダメよ?」
ハニー「……分かってるわ。ただ、見るだけ。ホントよ」
ハーマイオニー「……意味は分かるわ、えぇ。それじゃ、少し覗いてきてくれる?私はここで休むわ……邪魔したくないもの」
ハニー「……ありがと」
101:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:43:13.41 ID:m8pPIdIP0
ハニー「まぁ、近くにいたところで今度こそ……あ」
ハニー『『エクスペクト・パトローナム!』』
ハニー「……私だわ。完璧で……って、今はそうとは、呼べないかしら」
ハニー『『エクスペクト……エクスペクト』
ハニー「でも、大丈夫よわたし……弱いわたし。きっと、今、すぐに」
ハニー『『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!』』
ハニー「パパと、ママが……でも、遅いわ。もうどこかに現れないと、間に合わないのじゃないかしら……」
103:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:47:14.59 ID:m8pPIdIP0
ハニー「……あぁ、へたりこんでしまって……何をしてるの?わたしを救ってくれた……」
ハニー「ほら、今じゃない。あぁ、吸魂鬼のフードをとった顔、恐ろ、いいえ、気味悪かったわね。ほら」
ハニー「あそこにいるわたしの、反対側……の……岸」
ハニー「――あっ」
ハニー『パパ……ママ……』
ハニー「そ、っか」
ハニー「わたし、だったんだ」
ハニー「『エクスペクト・パトローナム!守護霊よ、来たれ!』」
カッ!!!
105:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 09:56:44.23 ID:m8pPIdIP0
ハニー「わたしの杖から吹き出た、白い光の塊……霞なんかじゃないわ。確かに形をもって、吸魂鬼の方に」
ハニー「……あれは、牡鹿……だったり、人の形になったり……いいえ、ふふっ。そうよね」
ハニー「『プロングズ』 シリウスたち四人の、最後の一人」
守護霊『図に乗るなよ、吸魂鬼風情が……跪け!!!ヒンヒン鳴いてろ!!!』
魂吸鬼「」ガタガタガタガタガタ
ハニー「……割と台無しよ、パパ。でも、そうね。あなたたちには、この学期中随分と酷い目にあわされてきたもの」
ハニー「跪きなさい、この、豚ぁあああああああああああ!!!!」
吸魂鬼「っ!!――――!!」
ザザッ ヒンヒン
116:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:01:37.97 ID:m8pPIdIP0
ハニー「……」
守護霊『……』
ハニー「……牡鹿、ね。ふふっ、とってもステキだわ……」
ソッ……パッ
ハニー「……触ろうとしたら、消えちゃった。まったく、あんな連中には言葉をかけるのに、わたしにはどうしたの?」
ハニー「……でもきっと、そうはいかないのね。あんな風に吸魂鬼に喋れたのは、きっと……」
ハーマイオニー「……」
ハニー「……ちがうの」
ハーマイオニー「見、る、だ、け!って、約束したわよね!?!?!?」
119:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:08:52.54 ID:m8pPIdIP0
ハニー「分かりにくいけれど、なるようになったわ。だって私だもの、そうでしょ?」
ハーマイオニー「あなたっていつも結果論よね……結果がついてきているから困りものなのよ」
ハニー「私の前には成功が約束されているもの。守護霊だって、なんだってね」
ハーマイオニー「……でも、本当に凄いと思うわ。成功するのが分かってたから、できた、だなんて」
ハニー「だって、なんだかすっごく納得してしまったんだもの。全部全部救う、って。こういうことだったのね」
ハニー「……わたしなんかが、自分の力で救えたんだもん。幸せ以外の、何でもないわ」
ハーマイオニー「……今までだって全部、あなたの力よ?ハニー。謙遜なんて、あなたらしくないわ」
ハニー「……えぇ、だって私って!高貴で、可憐で……完璧だもの。そうでしょ?」
122:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:17:17.09 ID:m8pPIdIP0
140:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:41:33.06 ID:tiIgLQYl0
142:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:47:50.79 ID:m8pPIdIP0
犬「……」
ポンッ
シリウス「ダンブルドアがくれたほねっこも飽きたな……なんでこんなものを用意できるんだどうなっているんだあの人は。まぁいい」
シリウス「……必ず私を逃がす、と言ってはくれたが。もう遅いだろう。スニベリーが先ほどここに来て散々、悪態をついてくれたしな」
シリウス「……私があの二人を殺した。裏切った。そうだ。否定はできないのだ……」
シリウス「……リーマスはどうなったか。また、あの満月の下、一人で。暴虐と後悔に荒れ狂うのか」
シリウス「……あの子は、あぁ、私を庇うなんてことはせず、忘れてくれればいいが。あぁ、そうだ。きっとその方が、あの子のため……」
ガタンッ!
ハニー「バカを、言わないで!!」
シリウス「!? は、ハニー!?君、ここは何階だと……それは、ヒッポグリフか!?」
ハーマイオニー「あぁ、私、ただでさえ飛ぶのが苦手なのに、こんな、ハニー、あぁわたしこれほんと、嫌だわ!さ、さがって!『アロホモラ!』
シリウス「窓枠が……ハニー、君は」
ハニー「私のため!?ふざけないで!私の生き方は、私自身のみが決めていいものなの!……家族になるあなただって、それに口を出すのはお断り!」
ハニー「諦めたりなんて、してあげないわ!さぁ、乗って!」
147:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:52:51.88 ID:kn0cWZ090
149:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:54:31.89 ID:PojDpj0w0
151:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 10:58:15.28 ID:m8pPIdIP0
ハニー「これに乗って、行って!シリウス!」
ハーマイオニー「あぁ、あなたのことをみんなに無実だ、って分からせることは出来なかったの。ごめんなさい」
シリウス「……いや、いいんだ。出来すぎている、ハニー……君は、本当に素晴らしい。それに友人の君も。ハーマイオニー、だったね。あの猫から聞いた」
ハニー「私が素晴らしいのなんて、知ってるわ!いわれるまでもない、さぁ、時間が……」
シリウス「……ハニー、もう一度いいかい? 私は、私の失策のせいで君のお父さんとお母さんを死に追いやってしまった」
シリウス「……私は本当に、君の家族である資格が……」
ハニー「っ!今更、なによ!私、もう決めたんだから!」
ハニー「……パパとママと、過ごせるような夢、より!あなたと過ごす、未来のこと!大事にしたい、って!」
シリウス「っ!」
156:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:02:12.49 ID:m8pPIdIP0
ハニー「責任を感じて、一人で!ぺティグリューを追うの!?殺人者のブラック、って!呼ばれ続けるの!?」
ハニー「そうじゃ、ない、わよね?そんなの、やよ!いや!」
ハニー「あなたは……わたしの、わたしの、たいせつな……」
シリウス「……あぁ、ハニー」
ハニー「なに……なっ、あっ」
シリウス「……君はとても、高貴で。そして可憐だな……あぁ、誓おう。いつかきっと無実を証明して、君と家族になる。それまで、待てるかい?」
ハニー「わ、た、わたしが、高貴、そうよ!当たり前よ!あの、だか、だから行って、はや、そんな服で抱きしめないでくれるかしら!わ、わたしを抱きしめる栄誉を与えるのは、もう!はやく、行って!!」
ハーマイオニー「……お顔が髪の色のようね、ハニー。ステキだわ」
ハニー「~~~っ!行って、もう!!」
シリウス「はははっ、あぁ……君は本当に、お父さんの子だ、ハニー。また会おう」
165:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:10:33.12 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「――全部を救ってきなさい。君の望む結末へ……」
バタンッ
ダンブルドア「さて?首尾はどうじゃったかのう?」
ハニー「っはぁ、はっ、っ……えぇ、そうね。私の望むとおりにさせてもらったわ。あなたの思惑通り、とも言えるかしら」
ハーマイオニー「あぁ、間に合ったわ……先生、私達やりました!」
ダンブルドア「ナニをじゃ?」
ハニー「色々よ、えぇ。バックビークは救った、それに、シリウスも!」
ダンブルドア「うむ、ようやってくれたのう。さて……中におる君達二人も移動したようじゃ。お入り」
166:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:11:23.35 ID:9rr0PBHr0
ほんとにローリング先生は天才だわ
168:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:17:24.39 ID:m8pPIdIP0
ハニー「気が付いたのね、ロン……あぁ、その話しをすると、色々長くなるの」
ハーマイオニー「あなたはご気分が優れないようだから、休んでいたらどうかしら。ハニー。ふふっ。お顔の熱が引かないのよね?」
ロン「風邪かいハニー!それとも悪い虫にやられたかい!?あぁ、いや、いい虫かもね!」
ハニー「黙りなさいこの豚!」
ロン「ヒンヒン!!」
ダンブルドア「おぉーうセブルス、どうしたというのじゃ、そんなに息をあらげて。この先は医務室じゃぞ?抑えるのじゃ、どうどう。ほれ、ひっ、ひっ、ふー」
スネイプ「通していただけますかな、校長!!!我輩はポッター一味に話がある!!!奴らめ!!ブラックを!!!」
169:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:19:41.52 ID:jtVwlusq0
170:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:20:27.31 ID:UypnNjV10
172:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:24:20.67 ID:m8pPIdIP0
スネイプ「ポッタァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
ハニー「きゃっ!?」
ロン「うるっさいなもう!マーリンの髭!なんだ、決め顔をすると次の瞬間落とされる系教師スネイプか」
スネイプ「黙れウィーズリー!貴様だな!!貴様だなポッター!貴様がブラックを逃がしたのだな!?え!?貴様、貴様はやはりあ奴の娘だ!!そうだ!目は口ほどにものを言う!!!その目が奴なのだ!!さもありなん!!」
ハニー「……なによ豚以下」
スネイプ「黙れ!黙れ黙れ黙れ!貴様がブラックの逃亡の手引きをしたに決まっておる!貴様は!貴様は!!!」
ファッジ「スネイプ、おいおいスネイプ!一体何を言っているんだ、落ち着け!」
ダンブルドア「ひっ、ひっ、ふーじゃぞ?セブルス?」
スネイプ「我輩に何を産ませるつもりですかな校長!憎しみか!はいて捨てるほどありますぞ!この娘は、親と同じに奴と……!」
ファッジ「ハニーの前でその話をしてはいかん!大体何を考えている、スネイプ!どうしてこの子がブラックの味方をする道理がある!?狂っているのか、君は!」
ダンブルドア「そうじゃのう。それに、わしが鍵をかけてから一歩たりともこの部屋からは誰も出ていない事も説明してくれるか?セブルスよ」
ダンブルドア「いくら君とて、よもや同時に二箇所存在する方法を指摘できんのに、そこまでまくしたてたりせんのじゃろう?」
176:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:31:09.07 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「セブルス、再三言うが君はちと私情で物事を計りすぎる。いいところでも、悪いところでもあるが」
ダンブルドア「ほれ、ポピーが迷惑そうな目で見ておるよ。あまり騒ぎたてるでない。甘いチョコレートでも食べて今日は寝たらどうじゃ」
スネイプ「~~~っ!っ!!失礼する!!ポッター、次はないと思うのですな!」
ファッジ「……行ってしまった。ダンブルドア、あの男、情緒不安定ではないのかね」
ハニー「大いに同意するわ」
ダンブルドア「そうではない。ただひどく失望して、打ちのめされておる。それだけじゃ」
ファッジ「あぁ、それは彼だけではないだろうさ!英国中が失望する!『魔法省、ブラックをまたまたまた取り逃がす!』とね!はっはは!大笑いする者の方が多いのか……私も失礼するよ。色々と対応せねば」
ファッジ「あー、ハニー。あの男が口走ったことは忘れてほしい?いいね、君のためだ」
ハニー「……えぇ、大臣。なんのことだか、分かりませんわ」
178:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:36:51.58 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「えぇ、色々あってね」
ロン「その色々ってのを僕に教えちゃくださいませんか、だ。僕はハニーの一番の豚だぜ?あぁハニー!なのに君の冒険についていけなくってごめんよハニー!ヒンヒン!」
ハニー「えぇ、いいのよ。今後は励みなさい……ハーマイオニー、何があったか、説明してあげてくれる?」
ボフッ
ハニー「私、わたし……すっご、く……つかれちゃった、から……」
ハニー「すーっ……」
ロン「……疲れが極限だと一気に電池切れるハニー」
ハーマイオニー「……子供みたい」
ロン「今更かい?」
ハーマイオニー「そうね。さっ、まずはなにから話そうかしら」
ロン「ハニーの良い所?」
ハーマイオニー「それは随所に挟み込ませていただくわ」
183:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:43:24.51 ID:m8pPIdIP0
ザワザワザワザワ
シェーマス「ブラックがこの城にきたんだってねハニー!ヒンヒン!」
ディーン「あぁ!でも君が追い払ってヒンヒン言わせたって聞いたよハニー!さすが僕らのハニーだ!」
ネビル「やっぱりハニーは僕らのハニーだね!ヒンヒン、ヒーン!」
ハニー「えぇ、まぁ、そうね。そういう事にしておいてあげるわ」
ロン「ダンブルドアあたりが流したのかな」
ハーマイオニー「どうやってもブラックが出たっていうのは防げ用のない噂でしょうからね……あら、ハグリッド……お酒くさいわ」
ハグリッド「よぉー、よぉー!ヒック!すまねぇ!あー、あんまり喜んじゃいかんって分かってるんだがなぁ、ブラックが逃げおったし……でもよぉ、ヒック!聞いたか、ハニー!ヒンヒン!俺の嬉しい、ニュースをよぉ!」
ハニー「なにかしら、ハグリッド?私の予言通り、バックビークが処刑を逃れて自由になった?」
ハグリッド「おぉー!おめぇさんは女神だ!俺の女神だハニー!ヒンヒン!そうよ!ビーキーは自由になった!!一晩中ハニーに感謝をささげちょったんだ!」
ロン「あぁ、だってそれってありがとうの次の句、いやその前に着くくらい自然な流れだもんな」
186: 忍法帖【Lv=40,xxxPT】(1+0:15) :2012/12/16(日) 11:46:27.24 ID:xon/ABEM0
187:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:46:52.28 ID:5g9mrflo0
188:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:51:36.91 ID:tiIgLQYl0
189:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 11:54:11.96 ID:m8pPIdIP0
ハグリッド「もしかしてルーピン先生に襲われっちまってねぇか、とか。そんで、今聞きに行ったところだ。忙しいのにすまねぇことをしちまった。荷造りで……」
ハニー「……荷造り!?」
ハグリッド「おぉ、そうよ……まだ聞いちょらんか?あのな、あー……ルーピン先生は、狼人間なんだ」
ハグリッド「スネイプ先生が、スリザリン生全員に喋くっちまったみてぇで、俺ぁお前さんらも当然知ってるもんかと……」
ハニー「そんなのとっくに、それはもうとっくに知ってるわよ!ムーニーって見てから!それで、どうして先生が辞めることになってしまうの!?」
ハグリッド「お、おぉ?そりゃ、そうだろ。昨日は野放しだった、っちゅうことだし……まぁ変身した狼人間もな、こう、心を込めて話してやればきっと大丈夫だと俺ぁ踏んでるんだが……」
ハニー「ドラゴンのことの反省はどこにいったの!いいえ、それより……」
ハーマイオニー「行きましょう、ハニー。まだ間に合うはずだわ」
ロン「さぁ!僕の背中に!君のためならスニジェット、ファイアボルトもなんのそのさ!!」
196:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:01:57.39 ID:m8pPIdIP0
ルーピン「……君たちが来るのが見えていたよ。あぁ、全くこの地図は私達の自慢の品だ」
ハニー「……」
ルーピン「……君を一人来させるとは、あくどいね、あぁ。それらしいことを言って逃れることは、できないようだ」
ハニー「先生、あなたが辞めるって聞いたわ……冗談よね」
ルーピン「あぁ、残念ながら……残念でもなんでもないさ、当然のことだよ、ハニー。大丈夫、慣れているよ」
ハニー「そんな……誰に辞めさせられたの!?理事、なら、私達が訴えるわ!あなたがどれだけいい先生だったか、って……」
ルーピン「あぁ、そうじゃない。辞任したんだよ、ハニー。自分からダンブルドアに辞表を出した」
ルーピン「昨日のようなことがあっては、二度といけないんだ。セブルスがこぼしてしまわなくっても、私は辞めていただろう」
ルーピン「まぁもっとも、今日の夕方には生徒の親から抗議のふくろうのつぶてが届くだろうから。遅いか早いか、の問題ではあるけどね」
ルーピン「大丈夫、ハニー。私のような者、狼人間はね。こんな扱いには慣れっこなのさ」
205:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:12:30.61 ID:m8pPIdIP0
ルーピン「あぁ、それでいい。寧ろ私は甘んじてそれを受け入れよう」
ルーピン「反抗して、牙をむき、敵を増やすより。私には、少ないながらも……私のことを分かっていてくれる人がいた、それだけでいいんだ。生きていける」
ルーピン「……君は、この思い出をよみがえらせてくれた。あぁ、ハニー。君は本当に、ジェームズの子だ」
ハニー「……よく言われるわ」
ルーピン「明けない夜はない。止まない雨はない。とるに足らない小さな問題は、笑ってやり過ごしてしまおう」
ルーピン「君のお父さんが教えてくれたことだ。ハニー、私は、何も自棄になっているのではない。本当に大丈夫なのさ」
ルーピン「私のことを理解してくれた友人達……少しケチはついてしまったが、昨日の晩までに比べれば軽いものさ」
ハニー「そう……なら、いいわ。でもね、先生。それだけじゃないでしょう?」
ハニー「私達だって、あなたのことを信頼してるわ……リーマス。ありがとう」
リーマス「……あぁ、こちらこそ。ハニー」
ハニー「……どうして、小さく拳を握っているの?」
リーマス「いや、なんでもないんだ。うん、これで彼に得意な顔はさせないよ」
210:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:20:58.57 ID:m8pPIdIP0
ハニー「えぇ、私ですもの。守護霊、ね……ねぇ、先生。パパは……牡鹿の動物もどきだった、そうよね?」
リーマス「……あぁ、推察通り。『プロングズ』は君のお父さんさ……角が枝分かれしていたからね。よく自慢していたものだよ」
リーマス「自慢と言えば。さぁ、ハニー、これを。我ら『魔法いたずら仕掛け人』自慢の品……私はもう先生ではないからね。これを与えることになにも後ろめたい気持ちはない」
リーマス「あと、この『透明マント』も屋敷から昨日持ち帰った。あぁ、懐かしい。何度皆でこの中にギュウギュウ詰めとなったか」
リーマス「どちらも、君と、君の友人達なら。きっと素晴らしい使い道を見つけるだろう。さぁ」
ハニー「……受け取ってあげるわ。この地図はきっと私がもつに相応しい、そう言っていたわね?」
リーマス「あぁ、もちろん。ジェームズが自分の子が城から抜け出す抜け道を一つも知らなかった、なんて聞いたら卒倒するだろう。これは間違いなく言えるよ」
211:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:27:31.29 ID:m8pPIdIP0
ハニー「えぇ、私も……さようなら、リーマス。また」
リーマス「あぁ、また会おう……それまで。『いたずら、完了』」
スゥゥゥゥッ
コンコンッ、ガチャッ
ダンブルドア「リーマス、迎えが門のところまで来ておるよ。おぉ、ハニー。ここにおったのか」
ハニー「ハァイ、校長。白々しい言葉をどうもありがとう」
214:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:33:15.81 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「やけに浮かない顔じゃのう、ハニー。どうしたね。もっと自分を誇らしく思ってはどうじゃ?たったの一晩で、あれだけのことを成し遂げたのじゃ」
ハニー「……本当に、そうかしら」
ダンブルドア「君らしくもない。ハニー、あの者共は君に全幅の信頼と感謝をよせておった。君に救われた、とのう。わしも、君はそれだけのことをしてくれたと思う」
ハニー「でも私、ただ夢中で。私のしたいことをしただけで……」
ダンブルドア「あぁ、ハニー。わからんかね。君は守護霊を作りおおせたとき、なんと言ったかの?」
ダンブルドア「自らの力で誰かを救える、そのことこそが何よりの幸せじゃ、と」
ダンブルドア「どうじゃ。君の幸せは、皆の幸せなのじゃ。まっこと、君は愛深い子じゃ、ハニー。それ故、君の中にご両親の面影をみたのじゃろう」
ハニー「……あれは、ただの。わたしのただの、見間違いだわ」
218:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:43:48.77 ID:m8pPIdIP0
ダンブルドア「言ったじゃろう、ハニー。愛する者が死んでも、我々のそばを離れるわけではない」
ダンブルドア「君は母君の生き写しじゃ。ジェームズに負けんほどの生きる力と、愛をもっておる」
ダンブルドア「よいか、ハニー。君の集めたご両親の欠片は、確かに君の中に生きておる。そう、君の力になってくれたのじゃ」
ダンブルドア「君が幸せを手に入れるための、力に。まっこと、きみは昨晩、君の母君と父君に会った。そうに違いないのじゃ」
ダンブルドア「君の中の二人と、向かい合えたのじゃよ。ハニー」
ハニー「……」
ダンブルドア「……もうわしからは、言葉はいらんじゃろう。ロン、ハーマイオニー。おいで」
ダンブルドア「柄にも無く、真面目なことを言わせてくれてすまんの、ハニー。その功績に三〇〇点。もっとも、君のクィディッチの功績で、今年のグリフィンドールはぶっちぎりだったことじゃろうがな」
ハニー「あたり、まえよ……この腹黒豚」
ハニー「だって私は……パパとママの、自慢の子供なんですもの!」
ダンブルドア「あぁ、違いない。ヒンヒン!」
222:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:48:29.22 ID:m8pPIdIP0
ハニー「(弱いわたしのまま、誰も守れないんだ、って、思ってた)」
ハニー「(でも、ううん。強くなれるのね。わたしには、パパとママがついてる)」
ハニー「(……いいえ、それだけじゃない。わたしのことを、ずっとずっと、支えてくれる人たちがいてくれれば)」
ハニー「(弱い、ちっぽけなわたしでも……強く、なれるんだ)」
ハニー「ロン、ハーマイオニー……わたし、二人がいてくれて……!世界一、幸せだわ!」
ロン「あぁ!僕だってずーっとずっとおんなじ気持ちさ、ハニー!僕を誰だと思ってんだい?君の一番の豚だぜ?」
ハーマイオニー「ハニーの幸せは、私達の幸せよ、ハニー」
ダンブルドア「ほっほっほ」
223:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:50:33.36 ID:TSZ6O/uK0
ヒヒンヒンヒヒン!!
(ダースベイダーのテーマ)
229:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 12:56:42.33 ID:m8pPIdIP0
豆フクロウ「ピピーーーッ!」
ロン「おいこんにゃろ、おとなしくしろよ!ハニーの頭の上を飛ぶなんてなんて野郎だ、あいたっ!マーリンの髭!」
ハーマイオニー「シリウスがよこした手紙、なんて書いてあるの、ハニー?」
ハニー「えぇ。無事、安全な隠れ家を見つけた、って。夏中手紙を出すときは、これで白豚でも送れるらしいわ」
ロン「あぁ、なんせそいつは君の豚として鍛えられてるからね。おい白豚、今年は去年までとは段違いで忙しくなりそうだぜ、覚悟しとけよ」
白豚「フィピヒィン」
ハニー「なんのことかしら、ロン。私の豚。あぁ、それとそのふくろうあなたに、ですって。ネズミがいなくなったのは自分のせいだから、って」
ロン「そうなのかい?あー、じゃぁピッグウィジョン、ちぢめて豚だな!よろしくな、豚!ハニーのね!」
ハニーの豚「ピピーィ!?」
ハーマイオニー「アイデンティティもなにもあったものじゃないわね」
232:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:01:11.44 ID:m8pPIdIP0
ハニー「なんのことかしら」
ハーマイオニー「だって、シリ、あの人からの手紙。本題に入るまでにどれだけ筆がかかっているの……?」
ロン「君の一大小説も人のこと言えないけどね、あぁ、ハニーがシリウスの今のいどこを読み上げるまでに何度顔面がその髪と同じすんばらしい色にそまったことか、さ」
ハニー「ロン」
ロン「なんだいハニー!ヒンヒン!僕のハニー!」
ハニー「かえるチョコって、鼻につめたらどうなるのかしら」
235:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:06:28.65 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「試すタフさがおそろしいわ。ねぇハニー、あの人は詳しい居所は書いていなかったのよね?そんなに長いのに」
ハニー「えぇ、そうね。そう、簡潔に文章をまとめられないなんて、まったく、ダメな大人だわ」
ロン「歯の浮くような台詞はスラスラ出てきてるみたいだけどね。これがルーピン先生の言う『伝説のジゴロ』かぁ……ハニーはいつだって伝説的だけどね!」
ハーマイオニー「ハニーの前だと割りとから回ってみえたけど……」
ハニー「な、なんのこと、なによ!もう!い、いいじゃない!家族、なんだから!これくらい普通でしょ!」
ロン「僕ぁジニーに子供が出来てもそれほど溺愛できるか自信ないなぁ、君のなら別だけど」
ハーマイオニー「愛されてるのね、ハニー」
ハニー「あい、愛、って、そうよ!当然、当然じゃない!この私、だものね!」
238:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:10:41.43 ID:UypnNjV10
301:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:51:45.79 ID:m8pPIdIP0
>>238
カエルチョコの本質は『幼少の頃から、魔法薬を作るのに必要なカエルをさばくことに抵抗をなくさせる』目的がある
ついでに偉人のカードもつけて教養をつける、つまり魔法界の知育菓子
百味ビーンズに関してもギリギリ食べられる味を用意しての『危険判断・察知』を養わせるための一貫
それらしく聞こえるだろ?これ全部妄想
244:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:16:15.00 ID:m8pPIdIP0
ロン「うん?なんだい、巻物みたいなそれから何か……おったまげー、シリウス。こりゃどこから聞いたんだろうね」
ハーマイオニー「おそらく、と、いうか、確実にダンブルドア先生ね……ほんっと、あの人って一周回って素晴らしいわ」
ハニー「なに、なんなの!?ちょっと、私、わたしの、シリウスからの手紙よ!ねぇ!」
ロン「はいはい、大丈夫だよハニー。これは君宛、っていうより学校宛、かなぁ」
ハニー「学校……?どういうことかしら。聞いてあげるわ」
ハーマイオニー「えぇ、読むわね。えーっと」
ハーマイオニー「……『わたくし、シリウス・ブラックは。ハニー・ポッターの後見人として、ここにホグズミート行きの許可を与えるものである』」
ロン「あぁ、ハハッ。ダンブルドアならこれで十分だよ……肉球ではんこまでおしてあるし、もちのロンでね!」
ハニー「それじゃ、それじゃぁ!来年は私も!やった、ほんとに!?二人と一緒に、ホグズミート!夢みたい!ふた……」
ロン「……」
ハーマイオニー「……」
ハニー「……ニヤニヤしない!!」
ロン「何言ってんのさ、ハニー!ニヤニヤさせられっぱなしだよ、もちの僕でね!」
245:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:17:16.34 ID:wXyAAHwF0
246:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:18:45.50 ID:PojDpj0w0
ヒンヒン
255:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:25:26.47 ID:m8pPIdIP0
ハーマイオニー「あぁ、ハニー。今度の夏はすぐに会えるわ……ふふっ、嬉しい事続きね!」
ハニー「あぁ、もう、もう!酷いわよ、これ以上ニヤニヤしたら!それは、嬉しいことには違いない、けれど!だって、当たり前じゃない!」
ハニー「この私の、世界一幸せなわたしの……みんな一緒の、夏休みなんだから。そうでしょ?」
完
鳥豚「ゲェーヒンヒン」
シリウス「おいウィザウィングズ!喜べ!今日のディナーはネズミだぞ!」
シリウス「……ところで、そのヒンヒンっていうのは結局なんだったのか……何故誰も教えてくれない!私はハニーの後見人だぞ!?」
リーマス『うるさいよ、シリウス、まったく君って奴は、逃亡中にファイアボルトをハニーに送るなんて一歩間違えたらそこで掴まることをしていたなんて。少しはおちつくんだ……お座り!』
今度こそ、完
256:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:26:50.00 ID:ap3l7aPW0
257:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:27:22.11 ID:PsOTmg4v0
258:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:27:49.00 ID:4wmR62ON0
259:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:28:22.47 ID:kbbIK5tS0
本当マジで感服するぜ。作品愛が素晴らしい!
乙乙
265:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:29:23.03 ID:vbcETnsqI
乙ヒンヒン
266:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/12/16(日) 13:30:22.80 ID:m8pPIdIP0
次回以降やけど、この感じだとこの板でやるには長すぎるな!っちゅうか今の時点でな
まぁまたどこぞで!エンタメ感抜群の四巻を書かないという選択肢はないで!
ラドクリフお大事に
じゃあの!
ハリー・ポッターシリーズ
一巻~七巻まで
世界的大ヒット発売中!
2014年後半、USJにて
ハリポタアトラクション建設決定!!
引用元:ハニー・ポッター「『守護霊よ、来たれ!』」
0 件のコメント:
コメントを投稿