1:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 14:58:20.39 ID:XUhGbSqs0
オカルトってほど上手くできた話じゃないんだが、あれがなんなのか分かる奴がいたら教えて欲しい
2:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:00:57.92 ID:XUhGbSqs0
年に何回か泊まりに行くことがあった
こっちはこっちでド田舎だし、じーちゃん家もド田舎
何て言ったらいいのかな、こっちは平地なんだが、じーちゃん家はちょっと変わった地形だった
4:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:05:00.01 ID:XUhGbSqs0
じーちゃん家はそこを少しはずれたところにあった
目の前には大きな池があって、後ろを向くとすぐそこに山がある
池と山の間をUの字みたいに道路が走ってて、Uの底の部分にじーちゃん家があるんだ
民家は数軒あるんだが、どれも道沿いの麓にあってある程度山を登るともう家も何も建ってない
そんな感じの田舎だった
8:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:09:31.12 ID:XUhGbSqs0
ちょっと歩いて大きな道沿いの公園に行ったりした
じーちゃんは大の犬好きというか、犬方面に限りものすごくカリスマ性のある人で
山に住んでる野良犬たちのボス的存在だった
デカくて凶暴な野良犬もじーちゃんが口笛を吹けば山から降りてきて
じーちゃんのいる前では大人しく撫でさせてくれた
多分当時7匹くらいはいたと思う
9: 忍法帖【Lv=9,xxxP】(1+0:8) :2012/09/30(日) 15:10:20.94 ID:DnoVjiVH0
13:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:15:34.04 ID:XUhGbSqs0
何にもやることがないし、庭のすぐ隣にある崖にも上るなと言われているのでつまらない
庭が結構広いので探検でもするかと木の棒を持って歩いていると
裏庭で朝じーちゃんに呼ばれて集合していた野良犬たちを見つけた
二匹いたんだが、一匹はいつもどこか狭いところに隠れたがるチビでわりと気弱なやつ
二匹目は体がでかくてブチ模様の、多分じーちゃんを除けばボス格のやつだ
15:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:19:21.54 ID:XUhGbSqs0
牙が見え隠れして怖かったが、なかなかどっしり構えてていい奴だなと思った
そうしてブチを撫でながらふと思いついたんだ
そういえばこいつらどこに住んでるんだろうなって
いつもじーちゃんに呼ばれたら山から降りてくるが、こいつらの家や寝てる姿は見たことなかった
どうせ暇だし、今日はそれを探しに行くかとか思っちゃったんだよ
16:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:22:48.62 ID:XUhGbSqs0
ちょっと覗くならいいかと思ってた
でかくて強いブチがいるからイノシシが出ても余裕じゃね?とか気が大きくなってたんだと思う
普段たまにしか行かない山へ続く道のほうへ歩き出すと、ブチは後ろを付いてきた
物置に隠れてたチビも、ビクビクしながらだいぶ後ろを付いてきた
17:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:26:41.57 ID:XUhGbSqs0
はじめてじっくり見たんだが、隣の家も見えるし奥のじーさんの畑も道沿いにある
結構拓けてて怖くないじゃんと思いながら、小石を固めたような細い坂を上っていった
右手には畑、左手には小川で、きれいな田舎の風景だったと思う
じーちゃん家を見下ろせるくらいの高さまで、ぐいぐい上っていった
19:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:33:14.08 ID:XUhGbSqs0
ブチを撫でながらまた遅れて歩いてるチビを待ってまた上ろうとすると
急に雰囲気が変わったというか背筋がすっと寒くなった
今までは拓けてたんだが、急に左右の木が高くなって、色もなんか黒々としてるんだよ
可愛らしい感じだった小石の道も、ひび割れたコンクリートの舗装になってて怖くなってきた
そもそも、麓にある民家より上には何もないはずなのに、コンクリート舗装されてるのがおかしいんだ
ひび割れてるから人がいなくなってしばらく経つんだろうが、これなら上には廃屋があるんじゃないかとひらめいたんだ
20:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:37:57.06 ID:XUhGbSqs0
学校でこれを話せばヒーローになれるんじゃねとかぬるい考えで進むことに決めた
この山に住んでる野良犬を二匹も連れてるんだし、大丈夫かと思って
ブチとチビの真ん中に立って進み始めると、ちょっと上った右手の奥にボロボロの屋根が見えた
よし、とりあえずあそこまで行こうとビクビクしながら進んでいったんだよ
21: 忍法帖【Lv=6,xxxP】(1+0:8) :2012/09/30(日) 15:38:55.98 ID:NGjCI2OK0
23:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:40:48.68 ID:sFOOdCscP
25:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:41:48.45 ID:XUhGbSqs0
幸い道沿いに窓がなかったから、そこまで怖くならなかったんだろうな
窓が付いてたら誰かが覗いてるんじゃないかと焦って即逃げたと思う
さすがに入り口を探して入りはしなかったが
随分古いから、これは大発見じゃないかと思ってえらくテンションが上がった
道はゆるくカーブしていて先が見えないが、まだ続いているようなのでもうちょっと行こうと歩き出したんだ
この先で例のへんなやつを見ることになる
26:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:45:17.90 ID:CZf8+tvdO
27:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:46:42.75 ID:XUhGbSqs0
カーブの先に行くのにはさすがにちょっと戸惑った
しゃがんでブチに心の中で「進んでも大丈夫?」と話しかけてみちゃったりしたんだが
ブチはじーっと顔を見つめ返してきたんで大丈夫な気がした
ついでにブチの口の端っこを持ち上げたら鋭い牙が見えて安心したんだ
チビが山に上がってから想像以上に歩くのが遅いのでゆっくりカーブの道を曲がっていった
28:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:51:13.23 ID:XUhGbSqs0
そのとき左手のほうに分かれ道があって、奥に建物が見えることに気がついたんだ
もちろんその分かれ道のほうに歩いていって建物をよく見ると、壁がない柱と屋根だけの建物だった
上手く伝えられないんだが、農具なんかを片付けておく元から壁がない倉庫みたいな感じ
木の柱だか鉄筋だかは思い出せないが、結構広くて床は白っぽくきれいな印象だった
なぜか雰囲気的に豚小屋かなと当時小学生の自分は思った
30:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 15:56:07.54 ID:XUhGbSqs0
なぜか子豚ちゃんがわらの影に隠れてるような気がして、無意識的に屋根の下へ入っていこうとしてた
そのとき後ろから、「キャンキャン!」みたいにほえる声がしたんだ
チビとブチどっちが吠えたのかは分からないが、とっさに振り返るとチビがもと来た道へ走ろうとしていた
なにに驚いているのか分からなくてまた建物のほうへ向き直ると、さっきまで確実にいなかったのに
建物の奥になんか黒くて大きなのがいるんだよ
31:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:01:19.99 ID:XUhGbSqs0
そのアレがなんなのか自分でも分からないが、動物というよりサルや人間みたいな感覚を
なんていったらいいかわからずにアレと言い換えたんだと思う
書いててもなんのことやらわけがわからないが
黒いのは熊とかいのししという感じじゃなくて、なんか人間に蜘蛛の脚が生えたみたいなモサモサした感じだった
一瞬でそこまで覚えてるのも謎だけど、脚か腕なのか分からないが頭の上に一本細長いのが見えて
それがこっちに向かってくるような感覚がしたんだ
ダッシュで逃げた
34:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:06:49.70 ID:XUhGbSqs0
後ろを振り返っちゃ駄目だと感じて、だけど前を見るのも怖くてうつむき具合に逃げた
ちょうどボロボロの民家の隣を通り過ぎるところだったから、その民家からまた黒いのがでてきそうで
全身が縮みそうだったんだ
下のほうに池とじーちゃん家が見えたとき、ほっと安心して走りながら後ろを振り返ってしまった
何で振り返るんだよ!と心の中でつっこんだが、幸い何もいなかった
斜め前を走ってるブチを追いかけながら、庭へと駆け込んでいった
このときはなぜか気づかなかったんだよ
36:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:09:27.31 ID:XUhGbSqs0
すごい勢いで家の中にはいってきたことにばーちゃんが気づいて
台所から顔を覗かせながら「何で犬を入れるんだ!」と怒鳴ってきた
横を見るとブチがこっちを見ていて、ここで気が抜けて玄関に座り込んだが
犬嫌いのばーちゃんが犬を外に出せと怒るので嫌々立ち上がって玄関の扉に手をかけた
37:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:12:21.05 ID:XUhGbSqs0
確か吠えて真っ先に逃げ出したんだが、俺が逃げるときにそういえばチビを一回も見ていない
走るのが遅いから先に逃げたという説は潰れるとして、全力で走ったんだからチビを追い越してないとおかしい
しかも追い越したのなら、麓近くで振り返ったときにチビを後ろに見ていないとおかしい
よたよた帰ってきてるのかと思って恐る恐る玄関を開けて庭を見たんだが、チビはどこにもいなかった
41:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:18:31.43 ID:XUhGbSqs0
テレビを見て風呂に入って、今日のことは忘れようと居間に敷いてもらった布団に入った
寝付く前、屋根の上や壁からドンドン音がして
庭に面した窓の光がぼんやり映ってる障子に黒い影が横切った気がしたんだが多分気のせいだ
翌日母に迎えにきてもらって帰るまで、犬達には一度も会わなかった
そういえばじーちゃんもいなかったから、山から降りてこなかったのかもしれない
44:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:24:17.74 ID:XUhGbSqs0
ばーちゃんがちょくちょく家に遊びに来るので犬のことを聞くと
嫌々野良犬達の住みかを教えてくれた
当時の自分は山に住んでいるんだと思っていたが、ブチたちは夜は二軒隣のじーさん家の
敷地で寝ているらしい
遠まわしに家の隣の道を上がったところは?と聞くと、あそこは犬でも行かないよと言っていた
46:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:26:27.79 ID:XUhGbSqs0
最近じーちゃん家をあのときぶりに訪ねたとき、じーちゃんにチビのことを聞いてみたが
そんな犬はいたかどうかわからないとのことだった
チビというのは自分がつけた名前で、じーちゃんは犬の名前を特に決めていなかったので
どの犬か伝えづらかっただけというのもあるが
48:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:29:05.33 ID:Q63yzzU00
52:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:33:57.88 ID:XUhGbSqs0
じーちゃんに会う機会がなかったってのもあるけど、昔は聞いたら山に入ったことがばれるとビビっていたので
聞けずじまいでした
昔そこには母には聞いたんですが、昔から下のほうでしか暮らしてなかったからわからない
でもあそこは幽霊出るよ、とのことでした
ばーちゃんがまた遊びにきたら聞いてみようかな
49:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:29:38.98 ID:YyQtdZSr0
50:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:31:01.35 ID:XUhGbSqs0
ただ怖そうなのに意外とすんなり触らせてくれるひときわデカイ犬と
車の下でビクビクしてる犬がいたので、もしかしたらブチとチビの子孫なのかもしれない
犬達は増えに増え、数は二桁に突入し保健所の人たちが度々やってくる上に
犬関連だとすぐにキレるので近所からも煙たがられてじーちゃんは完全に変人扱いですが
とりあえず大きな被害はなく皆元気なようです
51:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:32:48.46 ID:CZf8+tvdO
53:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 16:45:40.82 ID:Q63yzzU00
54:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 17:48:53.78 ID:sFOOdCscP
ありがとう
55:名も無き被検体774号+:2012/09/30(日) 17:51:08.45 ID:W3j6WgwQ0
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